「水の破産」とは? 私たちの生活や不動産にも関係する水の問題
最近、「水の破産(Water Bankruptcy)」という少し気になる言葉が使われるようになりました。
2026年、国連大学の研究機関が公表した報告書では、世界の一部地域で、単なる一時的な水不足ではなく、自然が回復できる以上の水を使い続けている状態が問題になっていると指摘されています。
「水の破産」を簡単にいうと
家計にたとえると分かりやすいかもしれません。
毎年降る雨や雪などが「収入」、地下水や湖、湿地などに蓄えられている水が「貯金」です。
毎年の収入以上に水を使い、さらに地下水などの貯金まで取り崩し続けると、やがて元の状態に戻すことが難しくなります。
これを、いわば**「水を使いすぎて自然の貯金まで減らしている状態」**として「水の破産」と表現しています。
日本の生活にも無関係ではありません
日本では蛇口をひねれば水が出るため、世界の水不足を実感する機会はあまりありません。
しかし、日本は多くの食料や原材料を海外から輸入しています。
小麦、大豆、肉などを生産するためにも大量の水が必要です。こうした輸入品を作るために海外で使われる水は「バーチャルウォーター」と呼ばれています。
環境省も、海外の水不足や水質問題は日本と無関係ではないとしています。
海外で水不足が深刻になれば、
農作物の不作 → 食料や原材料の値上がり → 私たちの生活費や企業の仕入価格への影響
という形で、日本にも影響する可能性があります。
私たちができること
だからといって、急に大量の水を備蓄したり、必要以上に心配したりする必要はありません。
一市民としてできることは、まず水を無駄にしないこと。そして、食料を必要以上に買って廃棄しないことなど、普段の生活を少し意識することだと思います。
また、日本では水不足だけでなく、大雨や洪水、内水氾濫など「水が多すぎること」による災害もあります。
自宅や勤務先のハザードマップを一度確認しておくことも、身近にできる水への備えです。
不動産の価値にも少しずつ関係してくるかもしれません
不動産業者の視点から見ると、水の問題は将来の不動産価値を考えるうえでの一つの要因になる可能性があります。
現在でも、不動産取引では水害ハザードマップ上の物件所在地を重要事項として説明することになっています。
今後、気候変動や水問題がさらに意識されるようになれば、
「駅から近い」「買い物が便利」といった従来の条件だけでなく、
災害に強いか、水道などのインフラが安定しているか、事業を継続しやすい場所か
といった点も、長期的な土地や建物の評価に少しずつ影響してくるかもしれません。
特に店舗・事務所・工場・倉庫などの事業用不動産では、浸水によって設備や商品が被害を受けたり、営業を続けられなくなったりすることもあります。
水を「当たり前のもの」と考えない時代へ
日本ですぐに水がなくなる、という話ではありません。
ただ、「水はいつでも十分に使えるもの」という前提が、世界では少しずつ変わり始めています。
日常生活でも、不動産を選ぶときでも、水を一つの大切な資源として少し意識しておく。
「水の破産」という言葉は、そのきっかけとして知っておいてもよいのではないでしょうか。

※私は「水の破産」を千葉県ユニセフ協会の機関誌「ともだち第65号(2026年7月)」発行で知りました。
少し違った視点の記事で、ユニセフが支援する世界の子どもたちへの影響について書かれています。
ご興味ありましたらぜひ千葉県ユニセフ協会のサイトをご覧ください。

