テナントが次の借主を連れてきた場合の対応  (貸店舗・居抜き承継)

① よくあるご相談

貸店舗では、現在のテナント側から
「次の入居希望者を紹介したい」
というご相談を受けることがあります。

店舗の営業をやめる際に、知り合いの事業者や同業者を次の借主として紹介したい、
というケースです。

テナントが次の借主を紹介して成約している様子のイラスト

② よくある誤解

次の借主候補が決まっている場合でも、そのまま入居できるとは限りません。

賃貸借契約は貸主と借主の二者間での契約ですので、
あらためて貸主の承諾や契約条件の確認が必要になります。

③ 確認が必要な主なポイント

テナント変更の際には、主に次のような点を確認します。

・貸主側の意向、交渉の可否
・業種や業態変更の有無
・内装や設備の引き継ぎ
・新しい賃貸借契約の条件
・保証会社の審査
・保証金の承継、償却

現在の契約を解約して、新たに契約を結ぶ形になることもあります。
契約を結びなおす方が、取引の上で双方にとって安全になる場合は多いです。

④ 営業許可などの手続き

飲食店や食品を扱う店舗の場合は、
保健所の営業許可などの手続きが必要になることがあります。

設備の内容や業種によっては、
そのまま許可が引き継げないケースもあるため注意が必要です。

長く使っている店舗の場合は、
設備が今の許可要件を満たしていないこともあります。

当社では、貸店舗の仲介だけでなく、
行政書士業務として営業許可などの手続きについても対応しています。

⑤ トラブルの例

  • 連帯保証人が引き継ぐので軽く承諾してしまったが、滞納時に別の請求先がない。
  • 営業時間が違っていて、深夜早朝のビル周辺環境が悪化した。
  • 看板のデザインが変わり、外観が悪くなった。
  • 契約上の残置設備と前テナントが残した設備が曖昧になり退去時が不安。
  • 設備が更新されず老朽化がすすみ、漏電や漏水がたびたび起きる。

事業用不動産の経験が十分にあれば、起こり得る問題を広範囲に予防できます。
ですが不慣れだと、確認不足で思い違いに気が付かないまま進めてしまうケースもあるのです。

⑥ まとめ

現在の入居者から次の借主を紹介される場合でも、
契約条件や設備、営業許可など確認すべき点がいくつもあります。

怖い事例ですが、賃貸借契約とは別に、
貸主の知らない所で店舗の売買がおきていることもあります。

テナント側が所有する什器備品を売り買いするのは勝手ですが、
店舗造作とビルの内装設備の線引きが曖昧なまま権利が移転すると、
後のトラブルを避けられません。

入れ替わる際の新旧テナントと貸主の認識を
付け合わしておくことが、予防策としてとても重要です。

特に最近は、相続や売買などで当初の契約時と貸主が変わっていることが増えています。
「お父様がこう言っていた。」などと言われると、「そんなこと関係ない。」とは
なかなか言えないものです。

賃貸借は多くの場合、長いお付き合いになりますので、
手間はかかっても、詳細に書面化しておくことが効いてきます。

店舗の承継やテナント変更などでお困りの際は、
お気軽にご相談ください。