区分所有物件の賃貸実務
こんにちは。
今回は分譲マンション等の区分所有物件を賃貸する場合に
気をつけておきたいことを書きました。
区分所有物件の特徴
区分所有物件では貸主が建物の利用について全ての権限を持っている賃貸アパートなどと違い、
貸室の入っている建物の利用は、各所有者が話し合って決めています。
このための集まりを管理組合といい、管理組合が建物の管理上の様々な事務を行っています。
この管理組合こそ区分所有物件の特徴となります。
管理組合とのやり取り
さて、管理組合は良好な住環境を維持するために居住者を把握し、建物の使用規約に則った利用がされているかを管理する役割を持っています。
管理組合がある場合、賃貸物件として利用するために各種の届けをしなければなりません。
以下は物件募集から入居までに用意する届出の例です。
・専有部分の工事承認の申請書
工事の日時、内容、工程、施工会社、責任者など
管理組合の承認を得るには、申請前に上下左右の居住者に承諾を得て署名をもらっておく必要があります。
・工事のご案内
管理組合の承認を得た後、館内へ通知を掲示する必要があります。
最近仲介した区分所有物件の時には、規約で掲示から7日間施工に入れませんでした。
・第3者利用に関する届け
区分所有者が賃借人に使わせることを証する書面で、誓約書なども兼ねています。
・入居届け
実際に入居する人の氏名や連絡先の他、家族構成や職業など
・ペットの飼育に関しての届出書
種類、大きさ、名前の届けの他、誓約書を兼ねていることが多いです。
・荷物の搬入搬出にかかる届出書
引越しに際し、日時や業者名など事前に届け出が必要です。
通常、各書類は管理事務所でもらえます。
上記の例は居住用でしたので比較的簡単なケースです。
事業用となると業種業態について管理組合の理事会審査と通過後の各居住者の一定数の同意が必要となり、結果が出るまで1~2ヶ月かかるようなケースもあります。
また工事についても大掛かりな増改築がある場合、住人説明会を行う必要が出るなど工事が出来ず、開業までに更に時間がかかるケースもあります。
その間、物件の申込者は動きが取れませんし、貸す側にしても確実に契約ができるか不明な状況で、募集を止めなくてはなりません。
不便極まりないですが、決まりですので仕方ありません。
事前にこのことが分かっていないと、引越しや出店計画が大幅に狂い、大きなクレームにもなりかねません。
管理規約や使用細則は建物ごとに違いがありますので、区分所有物件を賃貸する場合には、必ず確認をするようにしてください。
また、管理規約、使用細則は話し合いで決まるので、時間が経つと変わることがあります。
届出の様式が変わっていたり、駐輪場等の共用施設の使用料、ペットの飼育や楽器の使用についてなどは変わりやすいので、新たに募集をかけるときには念の為の確認を怠らないようにしましょう。
管理人さんの方から関係しそうな規約について親切に教えてもらえればよいのですが、聞いたことしか教えてもらえないことが殆どです。
不安がある場合には、経験豊富な地場の不動産業者へご相談ください。